生活保護と国民年金の免除の手続き


生活保護費の受給中は、国民年金保険料は免除されるのでしょうか?

国民年金保険料は、日本年金機構によると、令和5年度(令和5年4月~令和6年3月まで)は月額16,520円です。
確かに、生活保護を考えるような状況ではこの月額の支払いは難しですよね。
結論をいえば、生活保護を考えるような収入の常用の場合は「免除」という制度があります。

ただし、国民年金の免除については、正しい知識が必要です。
自動的に免除されるわけではありませんので、手続きを理解して申請を行いましょう

目次

生活保護と国民年金の免除について

国民年金保険料ですが、生活保護を受給するような経済状況の場合、「免除」という制度が使えます。

国民年金の免除とは?

国民年金の免除の制度は、生活保護受給者のための制度ではありません。
ですから、仮に生活保護を受給する前にでも、条件を満たせば免除の制度が使えます。

国民年金の免除には、全額免除と一部免除の2種類があります。

全額免除:保険料の全額を免除
一部免除:保険料の一部を免除(4分の3免除・半額免除・4分の1免除)

国民年金が免除される条件

さて、免除されるための条件ですが、原則と特例の2つの要件があります。

まず免除の要件(原則)ですが、

通常は、本人、配偶者および世帯主それぞれの前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が一定の金額以下であれば、免除を受けることができます。

保険料の免除はどのようなときに受けられますか。|日本年金機構

のようになっています。

また、特例による免除としては

●退職(失業等)により納付が困難な方

●災害等によって財産に相当な被害を受け、保険料の納付が困難となった方

というのが日本年金機構にあげられています。

免除を受けたいときの注意点

注意点としては、国民年金の免除を受けるには申請が必要だということです。
申請をしないで納付しない場合には「未納」になります。

納付しないという状況は同じでも、全額免除と未納は全然違います。

正式な手続きをして全額免除になった場合は、受給資格期間にカウントされますが、未納の場合はカウントされません。

納付期間が25年間に満たないと年金が0円になることも

日本では、25年間保険料を納めなければ年金は1円も受け取れません。例え24年11か月払い続けたとしても全くもらえないのでこれはとても重要です。

上記の免除制度を利用すれば、免除期間中も25年間に含められます。いかに未納にしていることが恐ろしいかわかりますよね。

また、保険料を納付するのは60歳までですが、もしこの時点で足りなければ70歳まで引き続き払って受給資格を得ることのできる手続きもあります。

国民年金の免除を受けているか受けていないかの違いが将来の経済状況に影響を与えます。
納付できない状態なら、必ず、免除の手続きをしてくださいね。

免除の申請と手続きについて

先にも書きましたが、生活保護の受給が決まったら、自動的に国民年金も免除になるわけではないので気を付けましょう。

市役所や区役所の国民年金課で書類を提出しなくてはいけません。
提出書類は、
・国民年金保険料免除期間納付申出書
・生活保護開始決定通知書
などです。
細かなことは地域によって異なる場合があるので、事前に聞いてから行くといいですね。郵送でも受け付けてくれます。

未納のままにしていると大変

保険料の納付が困難だからといって未納のままにしていると、受給資格期間が足りなくなって年金を受け取れないこともあります。

また、もし事故にあって障害が残った場合に支給される障害基礎年金も受け取れないということになってしまうので気を付けなくてはいけません。国民年金は、万が一の時の保険の役割もあるのです。

一般免除などは、生活保護の申請を考える前の段階でも検討してみるといいですよね。高額な保険料を日々の生活に回せれば助かります。

事情が変われば後から追納できる

免除を受けるには申請した後に審査がありますが、受理されると全額免除期間分でも国庫が負担する2分の1の年金額を受け取ることができます。
何よりも受給資格期間を埋めることを優先して考えるのも大切です。

また、生活保護の場合は、追納といって10年前までの保険料であれば免除された分を後から納めることもできます。
一般免除であれば2年しか遡れないということなので、後からじっくり考えてみると良いですよね。
事情が変われば、後から満額に近い年金を受給できるようにすることもできるのです。

生活保護が廃止になったら

生活保護が廃止になったら、市役所や区役所の国民年金課で再び手続きする必要があります。

提出するのは、

・国民年金保険料免除理由消滅届
・生活保護廃止決定通知書

です。

この手続きが遅れた場合、過ぎた分の国民年金を払わなくてはならなくなることもあるそうなので気を付けましょう。

まとめ:生活保護と国民年金の免除について

それにしても、経済状況が良くない時には国民年金保険料は高額ですね。
でも、生活保護を受けている間は、国民年金の納付は法定免除されるということなので、申請するのを忘れないようにしましょう。

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